新しくTOPへ
    


  2004年10月-12月  2004年7月-9月   2004年上期TOPICS                                                             

3
夕張市立総合病院への意見書
夕張市立総合病院の経営改革に関する意見書(中間報告)」

     夕張市立総合病院・病院経営アドバイザー
      公認会計士        長 隆
      城西大学経営学部 助教授 伊関 友伸

1 夕張市立総合病院の再建についての法的考え方の整理
(1)準用財政再建団体の申請
・夕張市長は、夕張市全体の準用財政再建団体の申し出と並行して、夕張市病院事業に関して、地方公営企業法第49条第1項に基づく準用財政再建団体の申し出を行う。
・夕張市長(夕張市病院事業)は、夕張市病院事業に関して、地方公営企業法第43条第1項に基づく財政再建計画の策定を行う。
・夕張市長(夕張市病院事業)は、夕張市病院事業に関して、平成18年9月1日より、直ちに財政再建計画の策定についての作業を行い、夕張市議会の議決を受けた上で、平成18年12月中に総務大臣に申し出ることを目指す。
・夕張市長(夕張市病院事業)は、夕張市病院事業に関して、平成18年度中に、総務大臣の財政再建計画の承認を受け、準用財政再建団体としての夕張市病院事業の新しい体制の確立を目指す。

(2)指定管理者制度(公設民営)の採用
・夕張市は、新しい経営体制を確立するため、平成19年4月1日から、市立病院について指定管理者制度を適用する。
・夕張市は、指定管理者の選定委員会を設置し、次の@からBの条件を満たす団体から、公募によって選定する。
・選定に当たっては、公益性の高い団体を優先することとする。
・なお、可能であれば、当事者意識を持って地域の医療を継続していくため、現在、夕張市立総合病院に勤務する職員が医療法人を設立し、公募による選考を経て、指定管理者となることを期待する。

@病院運営について
・指定管理者は、地方公営企業法の定める範囲で、市の一般会計から繰り入れを行う前提のもとで作られた病院経営の中長期計画書を提出し、健全経営が可能であることを示す。
・医師の充足等、長期にわたる地域医療の確保が可能となることを示す。
・病院の土地・建物は、指定管理者となる医療法人に20年間医療を継続する条件で無償貸与する。
・新しい市民病院の施設の改修は、医療法人の財政負担で行うこととする。

A新病院の事業体制について
・名称を夕張市立病院に変更する。
・170床の病床について、後述する老人保健施設の開設にあわせ、一般病床30床に減床する。
・残りの140床については減床する。
・新たに、市立病院の関連施設として、老人保健施設150床を開設する。
・新病院の一般病床については、引き続き医療的処置が必要な入院を希望する患者を受け入れる。
・入院診療は、一部病床を転換する老人保健施設と連携を図り、医療的処置が必要な患者を主体とする。
・外来診療は、内科及び整形外科、リハビリテーション科を維持する。
・新たに透析科を設置する。
・外科、小児科、産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、歯科は廃止する。なお、廃止は前倒しし、患者の利便と病棟の改築を考慮しながら10月1日から12月31日までの間に完了させることとする。
・救急患者については栗山日赤など他の医療機関との連携システムを構築することによって対応する。
・営業利益ベースで約2000万円の黒字となっている南清水沢診療所は、黒字の存続を条件に存続する。
・新しい病院・老人保健施設は、積極的に市保健福祉センターとの連携を図り、市民ができるだけ病気にならないための予防医療の推進を図る。

B職員の処遇について
・現在の病院に勤務する医療職の職員については、原則退職する。
・現在勤務している職員のうち、夕張市を退職して新しい指定管理者の運営する医療法人に再就職を希望する職員は、可能な限り採用されるよう指定管理者の選考において考慮を行う。
○なお、指定管理者に採用されない職員の処遇については、夕張市が最大限の配慮を行う。

2 財政措置について
(1)準用再建団体としての夕張市立病院事業に関する財政措置
・退職する職員の退職金については、退職手当債の発行によってまかなうものとする。
・金融機関に対する対外債務33億円は、現在の制度では財政再建債の発行が不可能なため、一時借り入れのまま継続せざるを得ない。市は総務省に対して、財政再建債の発行を認めるよう、緊急の制度の変更を要望する。

(2)指定管理者に対する財政措置等について
・夕張市は、指定管理者への委託にあたっては、必要な医療水準の確保のため、地方公営企業法の規定する範囲で、市の一般会計から繰り入れを行うこととする。
・病床の減少に基づく5年間の地方交付税措置分の一般会計からの繰入金(140床減床の場合、5年間で合計約3億4千万円程度)は、指定管理者制度を運営する法人に交付し、安定的運営の原資にする。

3 管理目標及び業績評価体制の構築等
・新しい病院において、中期経営目標を策定し、目標期間、中期目標、目標事項並びに資金計画を市民に開示する。
・計画に基づく指定管理者の毎年度の決算報告書を、夕張市の承認を受けて病院のホームページに開示することを義務づける。
・病院経営の状況及び指定管理者の公益性の確保のため、夕張市は経営評価委員会を設置し、第3者評価を継続して実施する。

4 夕張市立病院の改革推進の体制の構築
(1)夕張市立病院改革推進委員会の設置
・9月までに。新しくつくる設置要項に基づき、夕張市立病院改革推進委員会を新たにスタートさせる。
・改革推進委員会は、財政再建計画の策定及び指定管理者制度の導入のほか、病院改革の全てに渡って審議並びに指導を行う。
・改革推進委員会の会議は少人数で行い、メンバーは、病院経営アドバイザー1名、北海道庁職員1名、助役1名、病院代表1名、労働組合の推薦する者1名とする。
・改革推進委員会は、病院が事務を行う。
・改革推進委員会の会議は公開とし、議事の結果は夕張市のホームページに掲載する。
(2)病院改革室の設置
・病院改革室を9月4日(月)に設置する。
・病院内に、財政再建計画の策定及び指定管理者制度の導入のほか、病院改革の全てに関しての事務を行う病院改革室を設置する。

5 後藤健二夕張市長への要望
・夕張市市立総合病院の医療、ひいては夕張市の地域医療は、夕張市立病院事業が準用財政再建団体として認められるかにかかっている。
・この夕張市立総合病院の経営改革についての意見書は、長・伊関の両アドバイザーのほか、総勢11名のスタッフが夕張市内において調査を行い、延べ661時間をかけて作成した意見書である。
・本提案は、調査中に本院の常勤医師が2名になるという異常な事態を踏まえ、夕張市に病院を残すためのぎりぎりの選択として提示したものである。市長においては、本意見書提出後直ちに指定管理者制度の導入を前提とした作業に着手することを期待する。
・さらに、夕張市病院事業が準用財政再建団体として認められるかは、平行して行う夕張市全体の財政再建団体の申し出が認められるかにかかっている。
・夕張市全体の財政再建計画が甘く、総務大臣の承認が得られない場合、同時に提出する夕張市病院事業の財政再建計画が認められなくなる。
・夕張市立総合病院で医療を受ける患者の方々が医療を継続することは、ひとえに夕張市が自らを厳しく律して財政再建計画を作成するかにかかっている。
・言い換えれば、夕張市本体が夕張市立総合病院のように血を流さなければ、夕張市の医療は崩壊してしまうといえる。
・夕張市立総合病院に残された時間は多くはない。夕張市における地域医療を維持していくために、後藤市長の決断を期待する。   
(2006/8/31)
2
夕張市立総合病院への経営診断書
1 経営診断の経緯
・平成18年6月20日、夕張市長は、夕張市が財政再建団体となる申請を行うことを表明した。
・平成18年6月29日、北海道庁は緊急検査を実施し、夕張市全体として短期借入金が288億円、長期借入金261億円、債務負担行為82億円、合計632億円の債務があることが明らかにした。
・北海道庁の検査によって、病院事業会計も31億円の債務があることが判明した。
・夕張市病院事業は、完全な破綻状態にあり、民間病院であれば既に倒産している。その一方、夕張市唯一の病院として地域医療を担っており、廃止はできない。
・一方、全国的な医師不足は夕張市立総合病院にも及び最盛期に11人いた常勤医師が、現在5名となり、今後病院長、診療部長の退職の意向を示している。残った3名の医師のうち、1名は南清水沢診療所の医師であり、実質2名の医師で病院の医療を行わなければならない状況にある。
・夕張市立総合病院の医療は崩壊の危機に瀕しており、病院経営のあり方について、緊急に方針を示し、改革を行う必要がある。
・このため、総務省・北海道庁・夕張市から、全国の病院経営改革に実績のあるアドバイザー2名に経営診断の依頼があり、今回の意見書提示に至った。

2 病院の経営状況
・夕張市立総合病院は、明治43年に開設された夕張炭坑病院を発祥とし、昭和57年、北海道夕張炭坑病院の廃止に伴って、夕張市が北炭から病院を買い入れ開設した病院である。
・病床数170床、内科のほか外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、泌尿器科、リハビリテーション科を標榜している。このほか南清水沢地区に診療所を持つ。
・職員数は平成18年8月1日現在で正職員107人、臨時職員51人、非常勤職員13人となっている。
・近年医師・看護師の不足などの要因により、入院外来患者が急激に減少している。平成12年度と平成17年度の1日平均患者数を比較すると、入院患者数が、平成12年度の1日平均122人から平成17年度には1日平均79人と43人減少している。外来患者数は、平成12年度の1日平均489人から平成17年度には1日平均245人と244人減少している。
・入院外来患者数の激減により病院の収益も急激に悪化しており、平成17年度の医業収益が15億1652万円、医業費用が18億6184万円、医業収支比率82.9%、単年度の純損失は3億3371万円に及ぶ。
・夕張市立総合病院は、その甘い経営を金融機関からの一時借り入れで対応してきた。平成4年には一時借入金が10億円を超え、本来であれば経営の抜本的な見直しを行うべきであったが、夕張市役所はそのまま放漫な病院経営を放置してきた。放置してきた原因として、病院職員の経営意識の薄さに併せて、夕張市役所の不適切な会計操作の道具に病院事業会計が使われてきたことがあると思われる。
・さらに、本来地方公営企業の趣旨から一般会計から繰り入れるべき金額を病院事業会計に繰り入れてこなかった。地方公営企業法第17条の2では、地方公営企業の経費のうち、当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費等については、地方公共団体の一般会計又は他の特別会計において負担するものとする旨定められている。北海道庁の市町村課の試算によると昭和63年以降で約6億円に及ぶ。夕張市役所は地方公営企業を経営する自治体としての責任を果たしてこなかったと言わざるを得ない。
・平成15年度から医師・看護師の退職が相次ぎ、市民に対して満足な医療を提供できない状態が続き、病院の収益が急激に悪化。年3億円程度の純損失を計上。平成17年度末の一時借入金33億6000万円に達することとなった。

3 職員の状況
・医師数−開院より医師派遣を行っていた北海道大学からの医師派遣が終了して以来、質の高い医師の安定的供給が望めなくなった。全国的な医師不足の影響もあり、本院において、平成15年度に8名いた常勤医師が、平成18年度には5名になり、今後院長及び診療部長の退職が予定されている。残った3名のうち1名は歯科医師である。残った2名では、170床の総合病院の診療を継続できる状況にはない。外科、小児科は診療科を標榜しているものの医師がいない標欠状態になっている。産婦人科、泌尿器科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科は非常勤医師に診療を頼っている。給与については、卒後年数15年を経過をした経験のある医師の給与水準が北海道内の病院に比べて約300万円低い。このような医師の待遇の低さが、医師の退職につながっている面があると考える。
・看護師数−正看護師の数は、平成15年度の32名から平成18年度の26名に約19%減少している。修学資金貸付制度を創設するなどの努力をし、若手の正看護師を採用しても退職してしまう傾向が強い。准看護師は、平成15年度28名から24名に約15%減少している。看護師不足により、病棟においては、入院患者を今までどおり受け入れることができず、ベッドコントロールをせざるを得ない状況となっている。給与については、准看護師の給与が全国の病院に比べて年収で100万円近く高い状況にあり(経験年数15年で年収119万円の差)、病院経営を圧迫している。そのほか、看護助手が8名在籍し、病棟における介助などを行っている。
・コメディカルスタッフ−薬剤師4名、臨床検査技師6名、臨床放射線技師3名、理学・作業療法士2名、その他医療技術員7名、管理栄養士1名が在籍している。給食職員については外部に委託をしている。給与については、同じ経験年数で、全国平均に比べて年収で215万円高いケースがあった。
・事務職員−9名在籍している。給与は、全国平均に比べて年収で68万円から153万円程度高い。 

4 患者の受診動向
・平成15年度の国民健康保険の支払状況を分析したところ、国民健康保険を使って入院した件数の70%は、夕張市立総合病院以外の市外の病院を利用している(うち札幌市内39%)。
・平成18年7月31日の入院患者を年齢別に分析すると入院患者総数67名のうち、70歳以上の患者が58名と86%にも及ぶ。夕張市の全人口の中の70歳以上の人口が約30%であるから、70歳以上の高齢者の入院の割合が非常に高いことが分かる。市人口の52%を占める15歳〜64歳の患者は、3名で約4%しかない。現場スタッフのアンケートを見ても、夕張市立総合病院に入院している患者の大多数は高齢者であり、現場において介護を行う割合が多い。
・外来についても、平成15年度の国民健康保険の支払状況を分析したところ、国民健康保険を使って入院外(ほとんどは外来)を受診した患者の64%が夕張市内の病院・診療所を使っている(札幌市内の病院・診療所を受診した患者は19%)。うち夕張市立総合病院の本院で受診した人は34%である。
・また職員アンケートや市職員の意見聴取で、病院に勤務する医師の技術が低いという意見が出された。
医師の技術が低い→患者が病院を信用しない→市外や市内の診療所に患者が流れる→収益が一層低下する→給与などの医師への待遇が悪くなる→医師が辞める、技術の低い医師しか集まらないという悪循環が生まれていると思われる。 
5 各診療科の受診及び収益の状況について 
・各診療科の受診の状況及び収益の状況については、図表1のとおりである。
・南清水沢診療所については、営業利益で2000万円の黒字が出ている。地域の医療を担う中核的な医療機関であり、患者の評判も良い。
    
7 病院組織の問題
・全職員(パートを含めて)を対象に職員アンケートを実施した。63件の回答があった。アンケートに対しての分析は以下のとおり
・夕張市立総合病院は組織として機能していない。
・病院としての方向性がない。人口減に対しての対応ができていない。
・病院長を始めとする幹部職員の経営感覚とリーダーシップが不足している。
・現場の意見がトップに伝わらない。病院の運営に反映されない。
・医師が不足している。技術レベルも低い医師が多い。
・現在いる医師が職員に対して独善的な態度を取ることも多い。
・患者の方々への接遇が不十分。
・病院が夕張市民の信頼感を失っている。市民の多くは、市内の診療所や市外の病院を利用している。
・職員も病院の経営危機に対して、危機感が薄い。コスト感覚がない。職員間のコミュニケーションも少ない。
・勤務年数の長い人が強く、自由に物を言えない雰囲気がある。封建的な職場風土がある。現場の風通しが悪いため、若い職員がすぐ辞める。
・職員に問題を先送りする体質がある。問題解決も場当たり的で、計画的でない。
・病院の要となるべき事務も多くの職員が市長部局からのローテーションで、病院の経営については素人である。一時的な腰掛けという意識が強い。
・診療報酬請求漏れが多い、医療費の未払い患者をそのままにしている。

8 市役所・市民と病院との関係
・平成18年6月まで、市内で発生した救急患者は、対応できる医師がいないのに関わらず、全て市立病院に搬送し、市立病院医師の指示を受けてから搬送するというルールを採用していた。
・現在は、現場で市立病院の医師に連絡を取り、指示を受けるという形に変更されているが、常勤医師2人の体制では、この体制も維持が不可能になると考える。
・保健福祉センターと病院の連携が全くない。予防医療という意識は病院のスタッフに少ない。
・職員のヒアリングによると、医療費を払うつもりがなく診療を受診する市民がいる。このような市民がいると医師・看護師などの医療スタッフもやる気を失う。市民も病院を市の財産として大事にする必要がある。

9 アドバイザーの基本的考え方
・病院経営アドバイザーの基本的考え方は次のとおりである 
・夕張市役所の財政破綻による改革から病院を切り離し、病院が先行して自らを改革すべきである。市立病院の改革が夕張市ひいては全国の自治体病院改革のモデルとなることを期待している。
・準用財政再建団体となる以上、夕張市役所からの一般財源の投入はほとんど期待できない。
・病院自体が自立して経営できる体制をつくらなければならない。
・「親方夕張市」の意識を持つ夕張市職員が病院を運営することは困難である。
・過去市議会議員や監査委員が夕張市立総合病院の抜本的な改革の必要性を訴えてきたにも関わらず、市当局は問題を先送りしてきた。この点は厳しく指摘されなければならない。
・病院スタッフについては、経営が悪ければつぶれるという民間病院の職員の意識に比べて危機意識が足りない。自分たちの病院であり、経営が悪ければ皆が職を失うという「当事者意識」を持つ必要がある。
・改革はスピード感を持って行う必要がある。期限を明示し、全ての職員の力を合わせて取り組む必要がある。
・夕張市が病院を開設するものの運営は民間事業者が行う「公設民営」方式で病院を運営すべきと考える。
・大変残念なことではあるが、病院の医療スタッフは全員退職し、新しく指定管理者となる事業者の職員として働くこととなる。この際、給料水準は民間の病院の水準にならざるを得ないと考える。
・病院を運営する指定管理者は、全国から公募を行う。
・可能であれば、旧大江町立病院のように、職員が中心となり新たに医療法人を作り、民間の職員として自から病院の運営を行うことを期待する。
・医師の不足の現状から、過去のように医局に頼って多数の医師を確保することは難しい。確保できる最小限の医師でできる範囲の医療を行わざるを得ない。
・夕張市に必要な最低限の病院機能は存続させる。
・病院の提供する医療は内科、整形外科に特化する。
・救急、その他の医療機能については、市内の診療所や栗山日赤病院などと連携を図る。
・新病院の経営を安定的・継続的に行うため、歯科や非常勤で対応している診療科については廃止をする。
・入院患者の大多数を占める高齢者が行き先を見失うということは絶対に避けたい。ただし医療だけで対応するのではなく、福祉との連携で対応することを考える。

以上、簡単な報告を行うものである。詳しくは、「夕張市立総合病院経営診断中間報告書」をご覧いただきたい。

     夕張市立総合病院・病院経営アドバイザー
      公認会計士        長 隆
      城西大学経営学部 助教授 伊関 友伸
   (2006/8/31) 
小田原市が、医師にお産1件につき1万円の特別手当を支給
神奈川県小田原市が10月から、市立病院の産科医をつなぎ留めておく施策として、1件のお産につき、担当した産婦人科医に1万円の特別手当を支給するといいます。まあ年間600件位のお産があるそうですが、医師が5人いるそうですから先の市立尾鷲総合病院の産婦人科医の収入には遠く及びませんね。果たしてこんなことで効果が期待できるのですかね。確かに、民間に比べて格差が大きいために問題はあるのでしようが、こんな対策しか考えられないのでしょうかね?報酬・待遇・地位・環境・やりがい・研究など色々な観点から見直しをしていかなければならないのでは。先の江別市立病院の件で、以前に紹介した北大医学部出身の松浦医師のブログも参考にご覧になってみては如何ですか。  (2006/8/29) 
あの報酬5520万円の契約延長交渉が難航
昨年9月に年間報酬5520万円で、津市の開業医を常勤医師として市が雇用した市立尾鷲総合病院の産婦人科医について、契約の継続交渉が難航しているということです。契約は今月末までで、医師が休みも取れない状況に、同額の報酬と1か月に3日間の休暇を要求しているが、市側は年間報酬4800万円を提示、交渉は平行線となっているとのことです。また、高額の報酬額は、平均1500万円の他の医師の不満を高めているのも当然といえば当然か。   (2006/8/29) 
不妊治療助成、倍増の20万円
厚生労働省は、少子化対策の一環として、「特定不妊治療」といわれる不妊治療のうち健康保険が使えない体外受精と顕微授精に対する公的助成(1世帯あたりの助成額を現在の年間10万円から20万円に倍増、夫婦合算で650万円となっている助成が受けられる所得制限を緩和)を拡充することを明らかにしました。  (2006/8/29) 

???市立小樽病院の新市立病院構想フォーラム
市立小樽病院の新市立病院構想フォーラムで行政側と医師会、住民側、小樽商大の片桐教授をはじめとしたオブザーバーのパネリスト側とで意見が大きく食い違っているようです。市立小樽病院と市立小樽第二病院の老朽化、施設の狭さのため医療環境が悪化し、医師確保も困難な状況により経営環境も悪化しており早急な建設が望ましいとし、築港地区での現在の892床から493床へと45%の大幅なダウンサイジング(規模縮小)を行い新築移転を主張する行政側(市側の主張)ともっと分析・調査・検討の必要性があるとする住民側との食い違いが気になりました。また、地域医療機関との連携を掲げていながら、全く医師会との連携会議がもたれていないのでは問題でしよう。老朽化による医師離れを強く主張していますが、先の江別市立病院の件でも明白なように単に器だけでは解決されるものではないでしよう。まして、巨額の建築費、維持費がかかるこのような事業は双方十分な論議をつくした上での実行が必要なのはいうまでもないことでしよう。小樽商科大学の片桐教授が出席していることから同窓会ホームページ「母校ニュース」で記事が取り上げられていますのでご覧になってください。ご意見は、掲示板にお願いいたします。   小樽商科大学HP   同窓会本部HP  同窓会札幌支部HP   (2006/8/25)
江別市立病院内科系の医師七人が相次いで辞職!!!
江別市立病院では、7月に消化器科の常勤医師が辞職し循環器科の四人、呼吸器科二人、内科(内分泌系)一人の計七人が9月末までに相次いで辞職するという。院長も今春辞職しそのまま空席となっているそうです。また、夜間急病診療所(夜診)が併設されていて、当直医が救急医療にも駆り出され、「負担が重すぎる」と指摘されていました。このため、市は夜診の分離を急ぎ、十月一日に錦町別館に移転オープンさせることにしましたが、歯止めにはならなかったようです。事務長によると、「民間病院との労働条件の差が大きい」というが、何故に内科系医師だけ?外科医は?(夜診が分離されても内科医の負担は変わらないの?)どうもスッキリした理由にならないコメントしかできないのは----とかんぐってしまいますね。累積欠損金が三十四億円余りに達したため経営健全化計画を策定し五カ年で取り組み始めたばかりというが、まさに絵に描いた餅以上の状況下にあるようです。当然、入院患者も大幅に減少しています。だいたい、5カ年計画の経営健全化計画がスタートしたというのに院長が不在とは考えられないですよね。重い症状の患者さんは、札幌の病院への通院を余儀なくされるなど申告な影響が出始めています。目先の言い訳ではなく、問題点を明確にした上での抜本的な改革が期待されますね。平成10年に全面的に建替えられ、素敵な施設と設備を持ち、オーダリングなど最新の機能も備え医療評価機構認定の病院だというのにトホホな事態です。   (2006/8/25)
禁煙するなら---約2000施設をネットで紹介
日本禁煙学会は、公的医療保険を使って禁煙治療を受けられる全国の約2000カ所の医療機関をデータベース化し、インターネットで公開しました。今年4月の診療報酬改定で禁煙治療は保険適用となり、一定の基準を満たし、全国の社会保険事務局に届け出た医療機関で保険が使えるようになりましたが、対象施設を知るには地元の社会保険事務局などに問い合わせるしか方法が無く不便でしたが、7月末から学会のホームページ(HP)上に掲載しました。   北海道分    (2006/8/25)
胎盤エキス(プラセンタ)注射した人は献血禁止!
厚生労働省の血液事業部会安全技術調査会は、BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の輸血感染を防ぐための措置として、人間の胎盤エキスの注射剤(プラセンタ)を利用した人の献血を禁止することを決めました。これは、変異型CJDの発症リスクが高いとされる英国滞在経験者の胎盤が、エキスに使われている可能性があるためで感染の危険性は低いと考えられるが、完全には否定できないため禁止の措置に踏み切ったもので10月初旬から実施する予定で献血者に理解を求めるとのことです。厚労省は昨年6月から、英国に昭和55年(1980年)から平成8年(1996年)までに1日(1泊)以上の滞在歴のある方、平成9年(1997年)から平成16年(2004年)までに通算6か月以上の滞在(居住)歴のある方の献血を禁止しています。プラセンタエキスの注射薬は、肝臓病や更年期障害などに使用されるほか、薬事法の適応外だが肌の美容目的にも使われています。 (2006/8/25)
???市立小樽病院の新市立病院構想フォーラム
市立小樽病院の新市立病院構想フォーラムで行政側と医師会、住民側、小樽商大の片桐教授をはじめとしたオブザーバーのパネリスト側とで意見が大きく食い違っているようです。市立小樽病院と市立小樽第二病院の老朽化、施設の狭さのため医療環境が悪化し、医師確保も困難な状況により経営環境も悪化しており早急な建設が望ましいとし、築港地区での現在の892床から493床へと45%の大幅なダウンサイジング(規模縮小)を行い新築移転を主張する行政側(市側の主張)ともっと分析・調査・検討の必要性があるとする住民側との食い違いが気になりました。また、地域医療機関との連携を掲げていながら、全く医師会との連携会議がもたれていないのでは問題でしよう。老朽化による医師離れを強く主張していますが、先の江別市立病院の件でも明白なように単に器だけでは解決されるものではないでしよう。まして、巨額の建築費、維持費がかかるこのような事業は双方十分な論議をつくした上での実行が必要なのはいうまでもないことでしよう。小樽商科大学の片桐教授が出席していることから同窓会ホームページ「母校ニュース」で記事が取り上げられていますのでご覧になってください。ご意見は、掲示板にお願いいたします。   小樽商科大学HP   同窓会本部HP  同窓会札幌支部HP   (2006/8/25)
江別市立病院内科系の医師七人が相次いで辞職!!!
江別市立病院では、7月に消化器科の常勤医師が辞職し循環器科の四人、呼吸器科二人、内科(内分泌系)一人の計七人が9月末までに相次いで辞職するという。院長も今春辞職しそのまま空席となっているそうです。また、夜間急病診療所(夜診)が併設されていて、当直医が救急医療にも駆り出され、「負担が重すぎる」と指摘されていました。このため、市は夜診の分離を急ぎ、十月一日に錦町別館に移転オープンさせることにしましたが、歯止めにはならなかったようです。事務長によると、「民間病院との労働条件の差が大きい」というが、何故に内科系医師だけ?外科医は?(夜診が分離されても内科医の負担は変わらないの?)どうもスッキリした理由にならないコメントしかできないのは----とかんぐってしまいますね。累積欠損金が三十四億円余りに達したため経営健全化計画を策定し五カ年で取り組み始めたばかりというが、まさに絵に描いた餅以上の状況下にあるようです。当然、入院患者も大幅に減少しています。だいたい、5カ年計画の経営健全化計画がスタートしたというのに院長が不在とは考えられないですよね。重い症状の患者さんは、札幌の病院への通院を余儀なくされるなど申告な影響が出始めています。目先の言い訳ではなく、問題点を明確にした上での抜本的な改革が期待されますね。平成10年に全面的に建替えられ、素敵な施設と設備を持ち、オーダリングなど最新の機能も備え医療評価機構認定の病院だというのにトホホな事態です。   (2006/8/25)
禁煙するなら---約2000施設をネットで紹介
日本禁煙学会は、公的医療保険を使って禁煙治療を受けられる全国の約2000カ所の医療機関をデータベース化し、インターネットで公開しました。今年4月の診療報酬改定で禁煙治療は保険適用となり、一定の基準を満たし、全国の社会保険事務局に届け出た医療機関で保険が使えるようになりましたが、対象施設を知るには地元の社会保険事務局などに問い合わせるしか方法が無く不便でしたが、7月末から学会のホームページ(HP)上に掲載しました。   北海道分    (2006/8/25)
胎盤エキス(プラセンタ)注射した人は献血禁止!
厚生労働省の血液事業部会安全技術調査会は、BSE(牛海綿状脳症)が人間に感染したとされる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の輸血感染を防ぐための措置として、人間の胎盤エキスの注射剤(プラセンタ)を利用した人の献血を禁止することを決めました。これは、変異型CJDの発症リスクが高いとされる英国滞在経験者の胎盤が、エキスに使われている可能性があるためで感染の危険性は低いと考えられるが、完全には否定できないため禁止の措置に踏み切ったもので10月初旬から実施する予定で献血者に理解を求めるとのことです。厚労省は昨年6月から、英国に昭和55年(1980年)から平成8年(1996年)までに1日(1泊)以上の滞在歴のある方、平成9年(1997年)から平成16年(2004年)までに通算6か月以上の滞在(居住)歴のある方の献血を禁止しています。プラセンタエキスの注射薬は、肝臓病や更年期障害などに使用されるほか、薬事法の適応外だが肌の美容目的にも使われています。 (2006/8/25)

夕張市の巨額負債問題、夕張市立総合病院、の経営診断を外部機関により開始!
夕張市の財政破たん問題で、累積債務を抱える夕張市立総合病院の再建計画策定に向けて、「東日本税理士法人・特定医療法人協議会」(東京)による経営診断が始まりました。道などの調査によると、夕張市立総合病院(一般131床、療養40床)は2001年度には25億8000万円だった累積赤字は、毎年3億円から4億円の赤字額が増え2005年度末で39億4000万円に膨らんでいるとのことです。
平成16年度決算
損益計算書 貸借対照表
医業収益 1,602,868千円 現金及び預金 2,182千円
入院収益  716,798千円
 外来収益   830,153千円
一時借入金 3,920,000千円
医業費用 1,934,100千円 不良債務額 3,589,761千円
職員給与費 831,810千円
 材料費   619,810千円
 減価償却費  58,033千円
 経費    424,039千円
 研究研修費   408千円
病床利用率 一般病床 43.8%
療養病床 71.9%
他会計繰入金 114,041千円
医業収支比率 82.9%
*39億円の一時借入金に対して現金が218万円しかないという状況です。実際の現場でも医師が不足していて、小児科、外科は休診、内科も月〜金の午前中だけ診察となっているようで、外来が1日500人近くがいまや,150人まで減つてしまっています。院長も近く退職の予定ということです。しかし、次の理由から再建は可能ということです。@存続の危惧の理由が、巨額の赤字が原因ではないA国が過疎地の政策医療に充てるため自治体に交付している地方交付税を病院に支出せずに市の財政に充てていた。B 市から病院に繰り出ししている部分が未収になっており、現金入金がされていない。C不適切経理がみられ、累積赤字39億円のかなりの部分は 病院の赤字ではないといえる。こういった現状で市立病院は地方公営企業法上の準用財政再建団体の指定を申請し、総務省の管理下に入り、民間に運営委託する「公設民営」で再建を目指すとのことです。「東日本税理士法人・特定医療法人協議会」は「診療所まで規模を縮小しなくても再建は可能」との見解を夕張市側に伝えており、今後は民間委託先の選定、委託に伴う人件費縮減、運営可能な病床数の決定、救急医療継続の是非などが焦点になるようです。いずれにしても市民の命を預かる市立病院の存続は何よりも優先させねばならず、医師・看護師初め職員の信頼回復が急務です。30日にも市に対し正式な答申を行うとしているとのことです。    (2006/8/24)
全国のすべての病院や診療所の医師の略歴、医療体制などの情報をHPに
厚生労働省は全国のすべての病院や診療所(約17万5000施設)の診療内容や医師の略歴、医療体制などの情報を都道府県のホームページに掲載させる方針を決め、来春から段階的に実施することを発表しました。来年4月施行の改正医療法は、患者が適切に病院を選ぶのに必要な情報を、医療機関が都道府県に報告し、都道府県が内容を公表するよう義務付けています。現在、想定しているのは、医療機関の基本データ(診療日や診療時間、医師の略歴など)や、医師の研修プログラム、事故を防ぐための安全委員会の有無、患者がセカンドオピニオンを希望する際にカルテや患部の画像などの診療記録を速やかに提供する体制が整っているか、他の医療機関との間で患者受け入れや情報交換をしているかなどです。 (2006/8/23)
平成19年4月から福岡県で県立病院すべてを民営化!
福岡県では恒常的な赤字による財政悪化の為に、全国で初めて平成19年4月から県立病院すべてを民営化する。県立病院は柳川、嘉穂、朝倉、遠賀、太宰府の5病院ありましたが、朝倉、遠賀、太宰府の3病院は17年4月にすでに地元医師会など民間に移譲しており、残る2病院の民営化の為に、移譲先の選定を進めているところです。5年前から県立病院の経営改革に取り組んでいましたが、赤字体質から脱却できなかったということです。しかし、赤字だから『民営化』という方式が最近、あらゆるところであまりにも多く目にするような気がします。公的病院には僻地医療などの不採算医療や高度医療等が期待される面もあり、総務省「繰り入れ基準」によって地方自治体の一般会計からの繰り入れ措置が認められています。地方自治体の一般会計の支援によって、住民の生活の安全と安心を保障することが、行政としての責任ということもいえます。また、経常収支比率[経常収益(医業収益と医業外収益)との経常費用(医業費用と医業外費用)との比率とされています。経常費用/経常収益×100]100を超え、財政的に健全で、しかも高い医療サービスを安定的に提供し、黒字経営を維持している公立病院も少なくありません。こういったことを踏まえ、意識改革と、行政改革を明確に実施していくことによって財政の建て直しが推進できるのです。しかし、公的医療という社会的な安心と安全の基盤を形成する事業として税の投入を考える必要もあるのではないでしようか?  (2006/8/23)


幹細胞使い脳梗塞治療今秋から札幌医科大学医学部付属病院でスタート
8月1日に「脳梗塞で傷ついた神経細胞再生に札幌医科大学医学部付属病院が、骨髄幹細胞の使用承認」とお伝えしましたが、いよいよ今秋から骨髄液に含まれる「骨髄幹細胞」を用いた、脳梗塞(こうそく)の新しい治療法が国内初めてスタートします。この新しい治療法は、脳梗塞患者から骨髄液を採取して幹細胞を抽出。数週間かけて大量に培養した幹細胞を静脈注射で再び体内へ戻すと、幹細胞は脳梗塞の患部へ達し神経細胞を再生するというものです。対象として発症から二、三週間たった回復期に入り、リハビリなどを行う患者を対象とするもので九月以降、対象となる患者を選定し、二、三年の間に二十−三十例の治療を実施する考えです。まだまだこれからですが第一歩のスタートです。  (2006/8/20)
深刻な都道府県の医師不足対策として医学部定員を一時増員
医師の不足や偏在の問題に対応するための「新医師確保総合対策」の原案が明らかになりました。暫定措置として医師不足が特に深刻となっている都道府県に限り大学医学部の定員増を認めるほか、離島やへき地で勤務する医師を養成している自治医科大学の定員も増員する。原案では、定員を暫定的に増やす条件として〈1〉県が奨学金拡充など卒業後の地域定着策を実施する〈2〉定着する医師が増えた場合に限り、暫定的な増員が終わった後も以前の定員数を維持できることとしました。また、地元出身者の入学枠を拡充することや地域医療の志望者を対象に特別入学枠を設けることを推進するとしたり、卒業後の一定期間は地元の医療機関に勤務することを条件に、都道府県が奨学金を設けることも盛り込んでいます。また女性医師が増えていることから、病院内の保育所の利用促進など女性医師が働きやすい環境づくりにも取り組む。  (2006/8/20)
厚生労働省は、不妊治療に対する公費助成を拡充する方針
厚生労働省は、少子化対策の一環として、体外で受精させる不妊治療に対する公費助成を拡充する方針を固めました。内容は、公的医療保険が使えない治療費の一定額を公費で負担している給付額の引き上げや助成が受けられる所得制限の緩和となる模様です。  (2006/8/20)
財団法人日本医療評価機構の7月24日新規・更新認定道内分は同交会病院(中央区)がVer4.0複合病院で新規取得、道立羽幌病院(羽幌町)がVer5.0一般病院で更新取得いたしました。これで道内の認定病院は100医療機関になりました。  (2006/8/20)
市立函館病院(函館)4500万円で和解
市立函館病院(函館)で渡島支庁管内の男性(故人)が2002年2月に頸動脈内膜剥離の手術を受けた後、脳こうそくを発症し、右下半身まひや意識障害が残ったとして損害賠償を求めた裁判について、4500万円を支払うことで名古屋地裁で和解が成立しました。函館市側は、医療ミスはないが、脳こうそくに至った立証が難しく、裁判の長期化も予想されたため和解したと説明しています。 (2006/8/18)
闘病記ライブラリー
6月にお知らせしていた「闘病記ライブラリー」が完成しました。
同じ病気に苦しむ患者が、治療法や病気に対する心構えなどを知るのに役立つ闘病記は、「がん」「脳」「神経」「心」「皮膚」など12ジャンルに大分類され57の病名が表示され、約700冊の闘病記が網羅されました。今後も引き続き冊数を増やしていくということで患者が医療情報を入手する手段としての大きな手段といえます。 (2006/8/18)
北海道社会事業協会富良野病院の移転新築工事も順調に進んでいますが、平成18年4月4日より毎週火曜日午後12時00分から、協会病院で働く人たちをより多くの方に知っていただくために、「みんなでつくる みんなのラジオ ラジオふらの」(77.1MHzFM)放送を通じていろいろな職種の紹介をしています。富良野市街地を中心とした近郊が聴取可能地域です。  (2006/8/13)
認知症の専門知識もつ「認知症高齢者認定看護師」10人誕生
認知症の理解が不十分なため、コミュニケーションがしにくいということから、認知症ケアの専門知識や技術をもつ、「認知症高齢者認定看護師」が初めて誕生します。(2006/8/11)
またしても、産科医不在、報酬5500万円
三重県の市立尾鷲総合病院は同市や紀北町の住民4万2000人が利用する唯一の総合病院だが、三重大学の医師の医局派遣が医師減少を理由にストップし常勤医師2人を引き揚げ、昨年6月から分娩が中止されていました。産婦人科は、地域内に出産を手がける個人病院がないなど道内でも問題となっている根室市と同じような?環境でしたが、市は同9月、なんと年間報酬5520万円という高額でで津市から産婦人科医1人を独自に招へいしました。しかし、常時、出産に対応するには、1病院に最低3人の医師が必要とされるといわれ今後の行方が気にかかります。医師不足に悩む大学病院と、大学からの医師派遣が期待できない地域、地域医療は一体どうなるのでしようか?(2006/8/07)
徳洲会が特定医療法人の適用返上を申請
医療法人「徳洲会」が、公益性が高いとして税金が優遇される「特定医療法人」の適用返上を国税庁に申請していました。徳洲会は今年2月、「岸和田徳洲会病院」(大阪府岸和田市)の病棟を無許可で建設したとして、大阪府から「法を守る意識が欠けており、極めて重大な違反」と指摘され、改善指導を受けていました。特定医療法人は公益性が高いと認められる医療法人について、国税庁長官が承認するもので通常30%の法人税が公益法人と同じ22%に軽減されます。 (2006/8/07)
旭川地検「死亡との関係不明」と呼吸器外しの女性医師を不起訴
旭川地検は、羽幌町の北海道立羽幌病院で2004年2月、当時勤務していた女性医師が男性患者(当時90歳)の人工呼吸器を取り外して死亡させたとして書類送検された事件で、「呼吸器の取り外しと死亡との因果関係を認めることは極めて困難」とし、医師を嫌疑不十分で不起訴処分にしました。「消極的安楽死」とも呼ばれる延命治療の停止行為での刑事責任を問う初めてのケースで、同地検の処分が注目されていました。  (2006/8/07)
『赤ちゃんにやさしい病院』に公立芽室病院(芽室)認定
ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機構)は、『赤ちゃんにやさしい病院』(Baby Friendly Hospital:BFH)に新に三つの病院を認定いたしました。国内の認定施設は43箇所となり、道内認定箇所は、4箇所目となります。今回認定された施設。公立芽室病院(芽室)津軽保健生活協同組合健生病院国家公務員共済組合連合会舞鶴共済病院です。    医師/環境 1  (2006/8/07)
暑い夏は、脳卒中や心臓病に注意!!!
北海道も夏らしい暑さがやってきましたね。こんな時には、汗と塩分が体外に排出されるので、意識的に補給することが大切です。といっても、適量の塩分摂取は大切だが、とり過ぎると高血圧が進むので日ごろから薄味に慣れておくことが大切です。また、血液中の水分が不足すると、血液の塊ができやすくなるので、脳梗塞、心臓の筋肉に酸素などを送る冠動脈が詰まる心筋梗塞を引き起こす危険性が高まるといわれていますのでこまめに水分補給が大事です。人口動態統計を基に調査した結果では、「配偶者がいる」人は男女とも、「未婚」「離別」「死別」の人よりも、死亡率が低いことが示されていますので「配偶者」に感謝が必要ですね。(2006/8/03)
交通事故重度後遺症専門病床、札幌・福岡に新設 「空白地域」解消へ国土交通省
国土交通省は、空白地域となっていた札幌市と福岡市に交通事故で重い後遺症を負った患者の治療を担う専門病床を民間病院に運営を委託する形で7年度予算の概算要求に盛り込むことになりました。交通事故の重度後遺障害者を対象にした同省所管の「自動車事故対策機構」が運営する高度医療施設「療護センター」は専門施設は本州に4カ所(▽仙台市▽千葉市▽岐阜県美濃加茂市▽岡山市)しかなく、北海道と九州の被害者への対応が遅れていました。(2006/8/03) 
脳梗塞で傷ついた神経細胞再生に札幌医科大学医学部付属病院が、骨髄幹細胞の使用承認
札幌医科大学医学部倫理委員会は、骨髄に含まれる幹細胞の力を利用して脳梗塞で傷ついた神経細胞を再生させる治療を患者に適用することを承認しました。3年前に臨床試験を始める準備がスタートしたという記事を目にしていましたが、ようやく始まったようです。以下は、以前の記事とそのときの感想です。

「脳梗塞を骨髄幹細胞で治療 札医大が新技術」 
脳梗塞(こうそく)の患者に、本人の骨髄幹細胞を培養して静脈から注入し、症状を大幅に改善させる新しい治療技術の開発に、札幌医科大の研究班が六日までに成功した。骨髄幹細胞は、体内を移動して脳梗塞の患部に行き着く特徴があり、神経細胞を再生する。研究班は、これらの特徴を発見し、治療技術に応用した。すでに米国などを対象とする国際特許を出願済みで、できるだけ早い時期に臨床試験を始めるために準備を進めている。実用化されれば、点滴などで脳梗塞を治療できる画期的な手法となる。

もちろん、研究がスタートしたばかりですがリハビリを続けている私たちにとって、「骨髄には赤血球や血小板のほか、それらの血液細胞に分化する造血幹細胞などが存在し、それらのうち骨髄幹細胞は、多くても1000分の1ほどの割合しかないとみられ再生治療での効果を高めるためには、大量に培養する必要がある」とはいえ神経細胞が少しでも復活しリハビリがその効果をあげるのではないかと力ずけられるからです。少なくとも、つい最近まで神経細胞は再生しないというのが医学会の常識だったように言われていた思います。

 (2006/8/01)
10月から、献血手帳に代わり献血カード
日本赤十字社は10月から、献血手帳に代わり、献血カードを導入します。紛失や盗難による個人情報保護を強化するとともに、利便性も増しています。今年の4月から、検査目的での身分を偽った献血などを防ぐため、献血手帳があっても身分証の提示が必要になるなど、不便な面が指摘されていましたが、新しい献血カードは受付でカードを入れてパスワードを入力すれば、身分証がなくても献血できるようになっています。 (2006/7/31)

構造改革特区制度により初の株式会社経営の美容外科診療所「セルポートクリニック横浜」が29日より営業を開始!
昭和23年に医療法が施行されて以来60年近く、株式会社が医療機関を経営することはできませんでしたが、2005年7月、構造改革特別区域法(特区法)において、バイオ関連産業の振興を目的とした特区の認定を神奈川県が受け、これにより横浜市のベンチャー企業「バイオマスター」が経営する美容外科診療所「セルポートクリニック横浜」がさまざまな細胞に分化する幹細胞を脂肪から取り出して再び体に移植する「CAL(Cell-Assisted Lipotransfer)組織増大術」という方法により、乳房再建や豊胸術、顔のシワ取りを自由診療により行います。(2006/7/25)
札幌医科大学で道内で初の性別適合手術
札幌医科大学では、性同一性障害の男性2人に北海道、東北では初めての性別適合手術を行い二人共既に退院したと発表しました。(2006/7/25)
手術器具の「置き忘れ」防止にICタグのハイテク導入
米スタンフォード大医学部の研究チームは、手術の際に医療用具を患者の体内に忘れる事故を防ぐため、ICタグと呼ばれる小型発信器内蔵のガーゼ類を患者の腹部に入れ、体外から検知する世界初の臨床実験に成功しました。これは、「RFIDタグ」と呼ばれる切手大の電波発信器を付けた医療用スポンジ類を残した状態で開腹部をふさぎ別の医師が検知装置でガーゼを探し当てる実験で約3秒以内にすべてのガーゼを探すことができたといいます。今回の実験では、サイズの点から鉗子などは取り付けれませんが、近い将来実現が期待されます。   (2006/7/24)
市立札幌病院でガーゼの体内置き忘れ2件
市立札幌病院で患者の体内にガーゼを置き忘れ、これを摘出する手術が連続2件行われていました。そのうち1人は、何と21年間も体内にガーゼが放置されたままでしたが、いずれも後遺症はなく、家族らに謝罪しているといいます。ともに、X線検査で見つかり一人は、1984年に同病院で行った手術と同じ部位から見つかったことから当時の置き忘れたものと判明しました。もう一人は2005年3月の、60歳代の男性患者の開腹手術で、ガーゼタオル2枚を置き忘れ術後のエックス線検査で見つかり、同年4月に摘出手術をしたといいます。   (2006/7/24)


市立根室病院では、分娩や産婦人科の入院診療が9月からできなくなるという--
北大からの非常勤医師の派遣が八月末で打ち切られることになり、釧路赤十字病院病院産婦人科の派遣医師による診療のみとなり火曜日木曜日の週2日だけとなるために娩や産婦人科の入院診療ができなくなります。これは、産科医療の安全確保のため産婦人科医の一人体制を解消し、医師集約化を進める方針を北大が推進しているためです。また、消化器科の非常勤医師も十月から派遣打ち切りとなるため、消化器外来も9月末をもって休診となります。とはいえ、これによって、根室市では、病院での出産が出来ないという異常事態ともいうべき状況になります。昨年春、隠岐の島の隠岐病院でも産婦人科医がいなくなり、島でのお産が出来なくなってしまいアメリカのワシントン・ポスト紙でも大きく取り上げられるという異常事態になっていました。確かに一人体制における産婦人科医の大変さや苦労は想像にかたくありませんが、地域生活の破綻ともなるべき状態になるのではないでしょうか?
医療ミスを提訴される例が全診療科の中で一番多いことや過酷な労働条件などで、全国の大学病院産婦人科に入局する新人医師数は、3年前までは300人前後でしたが、今年は激減し213人だったために大学病院の産婦人科は自らの診療態勢の維持が精いっぱいという状況でもあります。産婦人科医が安定した診療を行うには、1病院に常勤医が2人以上必要といわれていますが、大学病院以外の病院・診療所の産婦人科医数は昨年で、1施設当たり平均1.74人で1人きりの施設が多く、その上全国の産婦人科医の4分の1は60歳以上という慄然とする状況です。
隠岐の島ではその後、島根県立中央病院が産婦人科医を増やして、今年11月から隠岐病院に2人常勤態勢で派遣することになったといいます。1人は海外で勤務中の島根出身の女医で、ネットで事情を知り、帰国を決意したということですが、根室はどうなるのでしようか? 
 (2006/7/24)
財団法人日本医療評価機構の5月29日新規・更新認定道内分は北海道脳神経記念外科病院(中央区)がVer4.0一般病院で新規取得、釧路脳神経外科病院(釧路)がVer5.0一般病院で更新取得いたしました。これで道内の認定病院は99医療機関になりました。 (2006/7/21)
抗がん剤治療の専門医誕生--『知ってる?』に登録
死因のトップになっていて年間32万人以上が亡くなる「がん」の治療は、手術、放射線、抗がん剤が主なものです。特に、抗がん剤は再発や転移を防ぐ目的のほか、手術前にがんを小さくしたり、放射線治療と組み合わせたりするなど、様々な使い方がされるようになってきましたが、日本は長年、外科偏重の傾向があり、抗がん剤治療の専門医の育成が米国に比べて圧倒的に遅れていました。現在、米国では抗がん剤治療の専門医が約1万人いるといわれています。このような背景のもとで日本臨床腫瘍学会は今年4月、抗がん剤治療に通じた医師を育成しようと、「がん薬物療法専門医」を認定する制度を導入し全国で47人の専門医が誕生しました。このうち外来診療を行っていない医師などを除き、セカンドオピニオンを聞くことができる道内関係の医師は、
病院名 専門医 診療科 セカンドオピニオンの対象 料金と時間 申込先電話番号
札幌医科大学 松永卓也 氏 血液内科 白血病など血液 30分以内7350円 011-611-2111
医事・相談課医事係
斗南病院 辻靖 氏 腫瘍内科 血液以外のすべて 30分以内7350円 011-231-2121
医療連携室
  ・専門外来
 (2006/7/19)
開業医?それとも大病院?
「大学病院や大きい病院を受診したほうが質の高い医療を受けられる」という似た思い込みが多くみられ、ちょっとした病気でも大きい病院に駆け込んでしまう例が多く、『3時間待ちの3分診療』に拍車をかける要因の一つになっています。病院か診療所かを決めるのがベッドの数で20床以上だと病院、それ未満を診療所、クリニックと医療法は定めています。厚生労働省では、「地域の医院・診療所」と「200床以上の病院」との機能分担をすすめ、「初期の診療は医院・診療所で、高度・専門医療は病院で行う」ことを目的として、1996年4月に初診料特定療養費という制度を導入し、他の医療機関の紹介状をもたずに、200床以上の病院を受診した場合は、初診時に特定療養費が特別に加算されるものです。最近は医院、クリニックと地域の中核病院との連携も多くなり、初期診療を近所の医院、クリニックで受診し必要に応じて検査や手術、入院治療が必要な場合は連携している病院で受け、回復したあとの定期診療はまた地域の医院、クリニックで受診するという仕組みが出来てきました。医院、クリニックの院長は大病院などで多くの診療を経験した方たちも多く経験豊富な医師にかかりつけ医として十分な時間の診察と説明を受けることができるのです。  (2006/7/18)
ドクターヘリ普及で合意
自民党、公明党は救命医療の専門医や看護師を乗せた「ドクターヘリ」を全都道府県に普及させるための法整備を図ることで合意しました。プロジェクトチームを設置、都道府県ごとに最低1機の配備を想定し、財政負担の軽減策などを検討した上で、秋の臨時国会での法案提出、成立を目指す考えです。ドクターヘリは現在、北海道など9箇所、計10機が運用されており、病院が少ない過疎地域や離島での救命に大きな成果をあげていますが、経費がかさむため普及が進んでいないのが現状です。(2006/7/10)
先進医療実施追加
白老町立国民健康保険病院(白老町)が道内6番目の施設としてPPHを7月1日から実施いたしました。 医師/環境 2 (2006/7/10)
後発医薬品(ジェネリック)の処方進まず
医療費抑制の目玉として利用促進を訴える後発医薬品(ジェネリック)が進んでいないようです。不良在庫を懸念する薬局がジェネリックの仕入れに消極的なことや薬を処方する医師がジェネリックに対して十分な信頼を寄せていないことが要因のようです。先発品とほぼ同じ効能で、値段が安いといわれ、この春から、処方せんの「後発薬に変更可」の欄に医師が署名すれば、患者は薬剤師と相談した上で薬局で受け取れるようになりました。医療費削減を目指す国も普及に力を入れています。   薬/ジェネリック医薬品を処方してくれる医療機関      (2006/7/7)
患者91人分の個人情報紛失
奈良県立医大病院は、30代の精神科医が、患者91人分の患者の氏名や生年月日、病名などが含まれた個人情報を入力した私物のノートパソコンを盗まれたと発表しました。医師は自宅で研究用の資料を整理するため、内規に従って所属長である精神科教授の許可を得てデータを持ち出したといいますが、医師は同病院の職員駐車場で車の鍵を忘れたことに気付き、車のそばにパソコンを入れた手提げ袋を置いて研究室へ戻って約10分後、駐車場に行くとパソコンがなかったといいます。内規に従ったといったってもこんな非常識かつ杜撰な行動はどうかと思いますが-----。セキュリティ以前の問題ですよね。 (2006/7/7)
新ひだか町の出産母子死亡損賠訴訟、見舞金で和解???
新ひだか町の河野産婦人科医院で2004年7月9日、帝王切開手術を受けた妊娠11カ月の女性(当時34歳)と生まれた長女が亡くなったのは、筋弛緩剤の過剰投与が原因として、遺族が院長を相手に計1億2800万円の損害賠償を求めていた訴訟が、医療ミスは認めず、院長が見舞金500万円を支払うことで札幌地裁で和解した。 (2006/7/7)
津別病院(津別町)で予防接種ミス
津別町が「津別病院」に委託して行った3種(ジフテリア・破傷風・百日ぜき)混合ワクチンの予防接種で、10人の乳幼児に誤って予定外の麻しん・風しん混合ワクチンワクチンを接種し、うち6人が発熱などの体調不良に陥っていたことが分かりました。ワクチンは当日の午前中に町内の薬局から25本が納入された。同院はすべて3種混合ワクチンと思い込んだが、麻しん・風しん混合ワクチンが10本含まれ、すべてが接種に使われたということです。発注外のワクチンが紛れ込んだ原因は調査中だが、ワクチンのケースにはワクチン名も書かれていたり、色違いのシールによるチェックもされるようになっていたとのことですが、気がつかなかったとは-----。たいしたこと無くて良かったのですが、機能していない安全管理は大きな問題です。  (2006/7/5)
セカンドオピニオン外来
市立札幌病院(中央区)で、がん(悪性腫瘍及びその疑いのあるもの)に限り、その診断・治療に関する相談を受け付けるセカンドオピニオン外来が平成18年7月3日から開設いたしました。   医師/環境 2       (2006/7/03)
先進医療のPPHって、どんなのですか?
先日、PPH実施医療機関追加情報をお伝えしましたが『PPHとは具体的にどのようなものですか?』というお問い合わせがありましたので、簡単にお伝えいたします。
「痛みが少なく、回復も早い」痔の新しい治療法として短期間の入院や日帰り手術も可能な、画期的な痔の治療法として注目されている方法です。成人の三人に一人が「痔」に悩んでいると言われ、一般に痔には、内痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうの3種類があり圧倒的に多いのが肛門にある静脈がうっ血し、静脈瘤となったイボ痔です。程度によって1度(腫れた痔が出血する状態)から4度(痔が硬くなり、押し込んでも肛門の中に戻らない状態)まで分けられ、3度(指などで押し込まないと、出てきた痔が自然には元に戻らない状態)以上の痔に対しては、個人差はあるものの、基本的には手術が必要とされます。現在、一般に行われているのは痔の部分を切り取る手術で、1週間以上の入院が必要となる上、肛門周囲の筋肉や神経を傷つける恐れがあり、術後の痛みが強く、再発することもあります。新しい痔の手術法として、1993年にイタリアの医師によって開発された「PPH法」があります。日本では1999年6月に初めて、湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)と済生会横浜市南部病院で導入され、急速に普及しつつあります。これは「自動吻合器」という特殊な器具を使用する方法で、この器具を肛門に挿入し、肛門の近くへと落ちてきている直腸の粘膜を挟み込んで切り取り、痔をより高い位置に引き上げて縫合し、固定するというもの。つまり、ゆるんだ肛門組織を吊り上げて、元の位置に戻すことで症状をなくすというものです。痔そのものを切除せずに、直腸粘膜を切除するという点が従来の方法と全く異なり、直腸粘膜には痛みを感じる神経がなく、また痛みを感じる肛門の粘膜などには触れないため、従来の方法と比べて手術後の痛みが非常に少ないのが最大の特徴です。器具を使って、粘膜の切除とホチキス様の針による縫合が一気に行えるため、手術時間も15分程度と短かく、従来の手術で1週間から10日程度だった入院期間も、3〜4日程度に短縮されることが可能になりました。しかし、この方法は、まだ医療保険の適応になっていない為に器具代は病院側や患者が負担しているケースがあるようです。さらに、直腸粘膜を切除するので、もし出血した場合、肛門手術に慣れた医師が必要など実施には注意が必要です。
(2006/7/3)
北海道大学医学部付属病院が被害届-臓器移植希望者のリストが入ったハードディスクが一時行方不明に
北海道大学医学部付属病院で、臓器移植希望者数10人分のリストが入ったハードディスクが26日一時行方不明になり、翌27日昼ごろ、同じ建物内のスタッフ休憩室で見つかった。ハードディスクはパスワードロックがかけてありましたが、リスト掲載者らに謝罪し経緯を報告したとのことです。パスワードロックぐらいでいいものですかね。  (2006/6/29)
先進医療実施追加 厚生労働省は、昨年11月1日付で恵庭みどりのクリニックを「自動吻合器を用いた直腸粘膜脱又は内痔核手術(PPH)」実施医療機関として道内で初めて認定しましたが、今年1月に道内2施設目として札幌徳洲会病院(白石区)が追加されました。同じくPPH実施医療機関として共愛会病院(函館)静仁会静内病院(静内)が新に追加登録され道内4施設となっていましたが、清田病院(清田区)が5番目の施設として7月からPPHを実施いたします。 医師/環境 2 (2006/6/24)
抗がん剤治療の専門医誕生
死因のトップになっていて年間32万人以上が亡くなる「がん」の治療は、手術、放射線、抗がん剤が主なものです。特に、抗がん剤は再発や転移を防ぐ目的のほか、手術前にがんを小さくしたり、放射線治療と組み合わせたりするなど、様々な使い方がされるようになってきましたが、日本は長年、外科偏重の傾向があり、抗がん剤治療の専門医の育成が米国に比べて圧倒的に遅れていました。現在、米国では抗がん剤治療の専門医が約1万人いるといわれています。このような背景のもとで日本臨床腫瘍学会は今年4月、抗がん剤治療に通じた医師を育成しようと、「がん薬物療法専門医」を認定する制度を導入し全国で47人の専門医が誕生しました。このうち外来診療を行っていない医師などを除き、セカンドオピニオンを聞くことができる道内関係の医師は、札幌医科大学松永卓也 氏、医事・相談課医事係で受付、斗南病院 辻靖 氏、医療連携室にて。   (2006/6/21)
「カプセル型内視鏡」韓国で今年末ごろから実用化?
以前に日本でのカメラ内蔵カプセルについて下記のようにお知らせしてきました。他に米国でも開発されていましたが、韓国で初めて「カプセル型内視鏡」が開発されました。政府が支援する「21世紀フロンティア事業団」の1つで6年間500億ウォン(約60億円)の研究費をかけてカプセル型内視鏡「ミロ(MIRO)」を開発したということです。米国や日本の「カプセル型内視鏡」は「ミロ」よりも価格が高く、画質もよくないということで海外市場も目に入れた製品のようです。カプセル型内視鏡「ミロ」は、直径11ミリメートル、長さ23ミリメートルの楕円形をした「超小型ビデオカプセル」で、人体の消化器官に8時間から11時間とどまって、10万画素クラスの映像を1秒に1.4枚から2.8枚撮影し、腰などの部位に装着するタバコ一箱ほどの大きさの外部受信装置に送る。受診者は「ミロ」を飲み、受信装置を体につけた状態で通常どうり生活し、その後病院に受信装置のみ返せばよい仕組みになっている。撮影を終えた「ミロ」は大便とともに排出されるということです。  最先端医療    (2006/6/18)
厚労省の目玉事業が、空振り?
全国の病院で小児科医・産婦人科医の不足が叫ばれており、閉鎖された科もあちこちで耳にします。こういった現状に少しでも対応するために出産や育児で現場を離れた女性医師らに再度研修を受けて現場に戻ってきてもらおうと、年間8100万円の予算を計上しましたが、これまでに研修を受けた女性医師は全国で兵庫県の女性医師1人だけという見込み違い。そもそも、該当する人たちがどれだけいて、何故はたらいていないのかという分析があった上の事業なのかと思ってしまいます。これだけの予算が一体どういうふうに使われたのでしようか?今年度に期待をもたせる結果が出ていたらいいのですが、どうもそうではないようで------。(2006/6/18)
「慈愛会病院」(函館市)が、事実上、閉鎖!
昨年12月に就任した幡樹理事長は、現時点で慈愛会の自己破産を否定していますが、最後の入院患者が15日、函館市内の医療機関に転院し、職員約240人も同日付で全員解雇となりました。(2006/6/18)
財団法人日本医療評価機構の5月29日新規・更新認定道内分は平松記念病院(中央区)が精神科病院で、西堀病院(函館)が複合で新規取得いたしました。これで道内の認定病院は98医療機関になりました。 (2006/6/14)
沖縄や北海道でインフルエンザ流行
インフルエンザが沖縄や北海道で流行していることが、国立感染症研究所の調査でわかりました。例年同期に比べ、かなり高い水準といえ、1週間の患者が平均1.0人以上になると全国的な流行と判断され沖縄(12.6人)、北海道(4.0人)、岩手(3.7人)、秋田(3.0人)と沖縄についで北海道も高く十分な注意が必要です。外出後の手洗い、うがいなどを忘れずにしてくださいね。 (2006/6/14)
医療制度改革法案、参院厚生労働委員会で自民、公明の与党の賛成多数で可決
高齢者の負担増や入院日数の短縮、生活習慣病予防の徹底などを柱とする医療制度改革関連法案は、13日、参院厚生労働委員会で自民、公明の与党の賛成多数で可決され、14日の参院本会議で可決、成立する見通しとなりました。同法案は、患者の自己負担増や長期入院者向け病床の削減などによる医療費の抑制を目指す内容となっています。これにより、10月から現役並みの所得がある70歳以上(夫婦2人世帯で年収約520万円以上)の窓口負担は2割から3割に、2008年度からは、それを下回る一般的な所得の70―74歳も1割から2割に引き上げられます。また療養病床の70歳以上の入院患者は、今年10月から食費と居住費の全額負担を求められます。   (2006/6/14)
お知らせ
先日お知らせした理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの無料冊子について
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(理研CDB)が
発生、再生、そして再生医療研究について多くの写真や図を用いながら分かりやすく紹介している冊子をご希望の方は下記の事項をご記入の上、 millenium@cdb.riken.jp まで

ご注文下さい(
無料)。
ご氏名:   ご職業:   送付先住所:    ご連絡先(電話またはE-mail):


とのご案内をしました。もちろん、私も申込みました。3日位で直ぐ素晴らしい冊子が届きましたが、他にも当サイトをご覧になって申し込んだ方から、「貴サイトで知り早速申し込んだところ素晴らしい冊子が届きました。色んな情報がありますが、なかなか見つけ出せなかったり、気がつかなかったりすることも多いのですが、おかげで感謝しています。これからも宜しくお願いいたします。」というメールをいただきました。嬉しい限りです。冊子は本当に素晴らしい出来です(これで無料とは!)、「再生」というテーマに興味がある方は、是非申し込んでは如何ですか?  (2006/6/12)
闘病記ライブラリー
「闘病記ライブラリー」が12日からインターネットによる無料検索サービス開始。
「がん」「脳」「神経」「心」「皮膚」など12ジャンルに大分類されたトップページから、「乳がん」「脳卒中」など病名に小分類された本棚が表れ、本ををクリックすると、著者、出版社、目次などが画面上に出る。目次で大体の内容が把握でき購入の参考になるとおもいます。闘病記はとても参考になることが多いので、当サイトでも今後取り入れていきたいと考えています。是非、一度ご覧になってください。  (2006/6/12)
ハーバード大が「ヒトES細胞」承認
ブッシュ政権は、ES細胞を新しく作り出す研究への政府助成を凍結し、受精卵から作り出すES細胞の研究すら、事実上、認められない厳しい規制をしいています。そして、ヒトのES細胞研究への連邦政府予算支出を原則として禁じています。しかし、世界に後れをとりかねないと危惧する研究者の声も大きく、カリフォルニア州、メリーランド州など5州が、ブッシュ政権の方針に反して州予算をES細胞研究に投じることをすでに認めています。こうした中で、米ハーバード大倫理委員会が、人間のクローン胚を使った胚性幹細胞(ES細胞)の作製を、〈1〉クローン胚を一定期間以上成長させない〈2〉妊娠させない〈3〉胚作製用の卵子提供女性に医療費以外の報酬を支払わない――との条件付きで承認していたことが明らかになりました。これは、クローン胚由来のES細胞研究が、先端医療であるというだけでなく、「世界の流れに遅れてはならない」と考慮した結果のようで、同大は民間資金を独自調達して作製、様々な病気の治療に生かすための研究を推進するとのことです。今回承認されたのは、糖尿病や神経難病などの患者から採取した遺伝子を持つES細胞の作製です。  (2006/6/12)
24時間往診の在宅療養支援診療所への届け出が約8600診療所
24時間体制で往診や訪問看護をする在宅療養支援診療所への届け出が8595診療所にのぼっています。在宅療養支援診療所は、長期入院患者の退院後の受け皿となる在宅での医療を推進、普及させるため、2006年度の診療報酬改定で新設されたもので、診療報酬は一般の診療所より高く設定されています。在宅で患者をみとった場合は一般の1万2000円に対し、10万円が支払われるということで、一般の診療所の1万カ所が移行するとみられています。しかし、緊急時に連絡体制が取れて、24時間往診ができる体制等を施設基準としていることから、複数医師による診療が必要となり、現状の高齢な有床診療所の医師では24時間の往診体制で在宅療養支援診療所へと言っても無理かもしれません。また、急変時の入院病床の常時の確保に対して無床の診療所では提携病院との連携がどうなるのでしようか?  (2006/6/12)
小樽市沖で「洋上救急」の訓練
第1管区海上保安本部札幌医科大学医学部付属病院小樽エキサイカイ病院(小樽)の医師らが3日、小樽市・銭函沖で、「洋上救急」の訓練を行いました。訓練では、医師と看護師が札幌医科大学医学部付属病のヘリポートから海上保安本部のヘリ二機に乗り、搬送中の傷病者の応急手当てを想定し揺れる機内でどの程度診療が可能かどうかを体感し、海上保安庁 ヘリコプター1機搭載型巡視船「つがる」の医務室などを見学しました。海保と医療機関が協力した洋上救助は、道内では現在、11病院が協力医療機関として登録しており、実際の洋上救急は昨年1年間で道内では5件が行われました。   (2006/6/05)
やはり「死亡率高い」喫煙者
深川市立病院の松崎道幸医師(呼吸器内科)が、日本呼吸器学会で、「禁煙こそが最も重要な病気予防策だ」と分析の結果を訴えました。40歳から79歳までの健診受診者約9万8000人を、10年間追跡調査・分析し、検査値や生活習慣と死因を調べた結果、喫煙者の死亡率は、吸わない人に比べて男性で1.6倍、女性で1.9倍。特に「現役世代」ともいえる64歳以下の男性では、喫煙者の死亡率は吸わない人の2.1倍に達しました。こういったことからも、禁煙を強く勧めるシステムの提唱を呼びかけています。 (2006/6/05)
禁煙パッチの保険適用、道内81カ所どまり
六月一日から禁断症状を軽くするための禁煙補助薬(ニコチンパッチ)に保険が適用されていますが、実際に保険適用の対象となる医療機関は道内で八十一カ所にとどまっています。保険適用となる医療機関については、社会保険事務局(代表 011-204-7000)までお問い合わせください
※注意事項
禁煙指導が保険適用となるためには、医療機関は次の基準を充たしていること、
患者さんは次の条件を充たしている必要があります。
【医療機関】
・禁煙治療を行っている旨を医療機関内の見やすい場所に掲示していること。
・禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること。
・禁煙治療に係る専任の看護師もしくは准看護師を1名以上配置していること。
・吸気一酸化炭素濃度測定機を備えていること。
・医療機関の敷地内が禁煙であること。また、他建造物の一部で開設している場合は、保有・借用部分が禁煙であること。
【患者さん】
・ニコチン依存症に係る選別テストで、ニコチン依存症であると診断された方。
・1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上の方
・直ちに禁煙することを希望される方で、「禁煙治療のための標準手順書」に沿った治療について説明を受け、治療を文書にて同意している方。
の条件を満たす必要があるためで、保険適用の条件を満たしているのは三十一日現在で八十一カ所。それ以外は全額が患者負担となるということで一部に混乱もおきているようです。
(2006/6/05)
セカンドオピニオン外来
新日鉄室蘭総合病院、道東脳神経外科(北見)でセカンドオピニオン外来が平成18年6月1日から開設いたしました。   医師/環境 2       (2006/6/01)
先進医療実施追加

北海道大学医学部付属病院は、先進治療適用の「強度変調放射線治療」(直線加速器は、線形加速器あるいはリニアック(LINAC)ともいい、電子またはイオンを直線に走らせながら加速する。一般的な病院では、X線・電子線を使ったがん治療に直線加速器が広く普及しています。直線加速器は、電子の流れを加速し、それをタングステンなどのターゲットに当てて、できるX線を病巣に照射するのですが、がん細胞が深いところにある場合には、手前の正常な細胞に多く放射線が当ってしまい、副作用が出やすいというデメリットがあります。しかし、今回の先進治療では、最適化計算をもとにして悪性腫瘍のみに高い放射線を照射することができるというものです。)の実施を道社会保険事務所に届けました。これにより道内の先進医療実施医療機関は、PPH実施の4施設と合わせて5施設となりました。 (2006/5/28)
財団法人日本医療評価機構の4月24日新規・更新認定道内分は北海道立北見病院(北見)旭川赤十字病院(旭川)がV5.0一般で、北海道立向陽ケ丘病院(網走)が精神科病院で、北海道立紋別病院(紋別)が複合病院で更新、さっぽろ香雪病院(清田区)が精神科病院で新規取得しました。 (2006/5/28)
ニコチンパッチ6月から保険適用
4月の診療報酬改定でニコチンパッチを使うと、混合診療に該当し違法な「混合診療」に該当するということ見解を示し、医療現場に混乱をおこしていましたが、ニコチンパッチを保険対象とすることで中央社会保険医療協議会に了承され、6月1日から適用されることになりました。 (2006/5/24)
札幌市医師会が新システム インターネットを使い入転院探します
札幌市医師会は、市内の病院が連携してインターネットを使い入転院の必要がある患者の条件に合った病院を自動的に探し出すシステムを22日から稼働するとしました。これまでは病院が、つてなどを通して受け入れ先を探していましたが、食事が自分でできるかや床擦れ、人工呼吸器の使用状況など16の検索項目で合致する病院が選び出され入院に向けた調整が行われる。当初は市内の病院が対象だが、3年後には診療所や在宅医療にも広げる方針。しかし、実際に入院するかどうかは患者の意向を尊重するといいます。(2006/5/22)
院内緊急体制「コードブルー」って?
院内で発生した救急救命措置を必要とする救急事態に対し、至急に科を問わずに経験ある医師その他のスタッフを呼び出し、迅速な救命救急措置を行う体制を確立することを目的に取り決めたコールを院内放送することにより行う院内救急コール「コード・ブルー」と呼びます。TVでお馴染みのアメリカの救急センター(ER)で患者の容態が急変したときに使用されている隠語のひとつであり、他に院内の火災発生を知らせる「コード・レッド」、脳死ドナー(臓器提供者)の発生を知らせる「コード・ゴールド」などがあり、コードはさらに細かく分類されます。入院患者さんや外来患者さんにあまり違和感を与えずにすみやかに行動するために使われています。救急患者をはじめ、院内で生じるすべての心肺蘇生を要するような救急患者に迅速に対応するためには、マンパワーの集結、特に経験あるスタッフが必要です。「コード・ブルー」を運用することで、院内で発生する救急救命措置を必要とする救急事態に対し、迅速な救命救急措置を行える体制を確立することが可能となるのです。 (2006/5/22)
市立札幌病院でガーゼの体内置き忘れ
市立札幌病院で手術のミスで患者の体内にガーゼを置き忘れ、これを摘出する手術が行われていました。1人は、2005年1月、入院していた60歳代の女性患者でエックス線検査で異常を見つけ1984年に同病院で行った手術と同じ部位から見つかったことから、その時の手術で置き忘れたものと判明し摘出手術が行われました。もう一人は60歳代の男性患者の開腹手術で2005年に行われた際に、ガーゼタオル2枚を置き忘れ、術後のエックス線検査で見つかり、同年4月に摘出手術をしたといいます。いずれも後遺症はないようですが、現在どこでもこういったガーゼなどの置忘れのミス防止の為に確認の徹底が図られていたはずなので最近のミスということが気にかかりますね。 (2006/5/22)
医療制度改革関連法案が衆院委で自民、公明両党の賛成により可決
高齢患者の負担増、医療費抑制のための都道府県の役割拡大などが主な内容となるが、高齢者の自己負担を2、3倍に引き上げるなど負担増加から批判の声もたかく弱者にしわ寄せの法案だとして各地で反対運動が開催されています。(2006/5/19)
利尻島国保中央病院(利尻町)旭川医科大学とで衛星利用の遠隔診療第1回目の実験は無事成功。
光ファイバーなど地上回線を使った遠隔診療は実用化が進んでいるが、衛星を使った取り組みは国内では初めてで国内衛星通信事業最大手のジェイサット株式会社(以下JSAT)が遠隔医療センターとJSATの衛星インターネットサービスを活用した遠隔医療の共同実験を開始しました。これは、光・ADSL回線が整備されていない地域や整備されていても回線が不安定のため、実際の運用に不都合が生じる地域の病院と同センターを安定度の高い衛星回線を利用して結び、遠隔地の患者の診断・治療支援を迅速かつ円滑に行うことを目指した、共同プロジェクトです。この共同実験は、旭川医科大学・遠隔医療センター長の吉田晃敏教授(眼科学講座)がリーダーとなって進めるプロジェクトで、衛星回線を利用した遠隔医療の評価および検証を行うもので、これまでは利尻島など専門医が居ない離島で、月に一度、訪問検診の場を設けてきました。しかし、経済的問題、時間的な問題など多くの問題点の解決が望まれていました。このような問題を解消することを目的として共同実験が開始され第1回目の実験は無事成功しました。今後来年1月まで毎月この実証実験は行われます。 
(2006/5/19)
世界最大手のジェネリック医薬品メーカーが日本進出
世界最大手のイスラエルの製薬会社テバ・ファーマスーティカル・インダストリーズが東京で日本法人を設立し日本市場に本格参入する。医療費抑制を狙って厚生労働省が使用促進を打ち出すなか後発品の世界大手が出そろい後発品の普及に弾みがつきそうです。(2006/5/15)
ニコチンパッチ今月保険適用へ?
川崎二郎厚生労働相は、「ニコチンパッチ」を公的保険の対象とすることを明らかにし今月中に保険薬とするとしました。パッチが保険適用外であることから、パッチを使うと違法な「混合診療」に該当するという判断をしましたが、医療現場の混乱や日本禁煙学会から批判を受けたために保険適用を急いだということのようです。このようなミス?見通しの無さを直ぐに修正する対応の早さを評価すべきか、事前の判断の甘さを批判すべきか、結構一般には分かりやすい世策の一つのはずなのに、お粗末過ぎとはおもいませんか。(2006/5/15)
禁煙パッチ治療は保険外 !
4月から医療保険の適用となった禁煙治療の大きな治療方法である薬、ニコチンパッチを使うと、混合診療に該当してしまい、治療全体が保険が利かなくなることが判明し現場で混乱を来たしています。医療機関では、4月以降、検査や問診のみを保険適用とし、ニコチンパッチについては患者に実費負担してもらう形で禁煙治療を進めてきましたが、厚労省はこれが保険診療と保険外診療を組み合わせた「混合診療」にあたるという判断をしめしました。パッチを保険薬として収載希望が出ればすみやかに保険適用したいというこしですが------。 (2006/5/13)
病院の治療成績公開!
最近、患者さんの関心が強くなったことや社会的な要因を受けてホームページなどで治療成績を自ら公開する病院も増えてきました。先日お伝えしましたように道内の病院のホームページ開設率も70%を超えましたので、ホームページ上で治療成績を公開している医療機関を集計してみることにしました。ただ、現時点では基準も確立されていないので各病院が公開する成績を、そのまま比較できるものではありません。そのために、こうした数字から病院の力量の差を読み取るのは難しいといえますが自ら公表していくという姿勢は大きな意義があると考えられます。今後は各病院の実力を公平に比較できる指標を決めることが重要となってくるでしよう。独立行政法人国立病院機構は、がんや循環器病など20分野で、病院の実力を評価する「臨床評価指標」を定めました。今後、各科においての指標造りが急務となるでしようね。 (2006/5/10)
脳細胞は増える?
今脳年齢を測定するゲームがおおはやりです。従来、脳細胞は生まれてから後は死ぬ一方で、大脳では一日20万から30万個が死んでいくといわれていました。しかし、最新の科学は、脳細胞が年をとっても新しく生まれることを証明しつつあります。大人になっても脳細胞(ニューロン)は成長しているとスウェーデンのエリクソン博士や東京大学の久恒辰博博士らの研究で証明されているのです。ニューロンというのは、脳の記憶や感覚、感情などの情報を伝達する神経細胞のことで、このニューロンの数が多く、複雑に結びついているほど、脳の働きは優れているのです。そして、このニューロンはある一定の条件下(脳に一定の刺激と安らぎを与えること)では各種の神経伝達物質により、年をとっても新しく生まれ、成長を遂げているというのです。反対にこれらの神経伝達物質が枯渇した状態がうつの状態なのです。
脳細胞を増やすための基本5カ条
(1)朝食を取って脳の温度を上げ、よく噛むことで神経細胞を刺激する。度に肉類を食べるとともに脳によい魚に含まれるDHA、EPAと納豆など大豆製品を適度にとる。
(2)ウオーキングなどの一定のリズム運動で神経伝達物質のセロトニンを増やし日光浴、深呼吸、ヨガ、気功などで新鮮な酸素を脳に送る。
(3)ストレスホルモンは脳細胞新生の大敵なので、笑い、お風呂、マッサージ、音楽などでリラクゼーションを心がける。
(4)睡眠は非常に大事であり、睡眠中に脳細胞も新生するので、睡眠はしっかり十分にとる。昼寝も効果的で刺激だけでなく、休養、睡眠で脳に安らぎを与えることも脳細胞の新生に必要なことです。
(5)目的をもって行動する「生きがい」によって神経伝達物質も増える。脳にも刺激が伝わり、脳細胞新生もスムーズになるといいます。そして、恋もとてもよい刺激となるのです。
  (2006/5/07)
がんに関する最先端情報をインターネットで入手できる「がん情報サイト」に患者向けのコーナーが開設!
がん情報サイトは、米国立がん研究所のデータベース(PDQ)の日本語版で、神戸臨床研究情報センター(TRI)が、毎月翻訳、更新していますが専門科向けだったため一般の方にはわかりづらい専門用語も多く分かりづらいものでした。しかし、専門用語も、クリックすると用語解説につながるなど一般向けのコーナーができたためとてもわかりやすくなりました。  がん情報      (2006/5/07)
「慈愛会病院」(函館市)1日に指定取り消しだが、127人がいぜんとして入院中!
入院患者の多くは病院継続を求めていましたが、病床数が過剰な同地区の継承は認められませんでした。病院で保険診療を受けられるのは30日までで、1日以降、医療費は全額、患者が支払うことになりますが慈愛会が当面、支払い増加分を負担する考えを示しているとのことですが、いつまでも続けれるわけではなく異常な状態が続いています。(2006/5/02)

2005-1上期

2005-2中期

2005−3後期

2006-1上期