脳出血による障害の手記 
「もういちど 歩き出そう」      

第13話 神経細胞が再生する !

12話の「気分転換」で下のように話しました。
「医学的には、破壊された脳細胞は再生しない。」といわれていますが、「脳と脳細胞」について色々な情報や諸先輩たちの話・体験から、絶対にある程度は回復するということを再確認することからリハビリーをはじめました。
そして脳の機能は代用を可能にし「再構築を形成する」ということから、それを可能にするのは「現在のところリハビリによる運動での刺激しかない」ということです
しかし、今日ある記事を目にしました。

「脳梗塞後も神経細胞の4割が再生し記憶や学習機能が戻る」というものです。

脳梗塞(こうそく)で神経細胞が死んだ後、神経のもとである前駆細胞を神経細胞に分化させ、学習機能も回復させることに、東大の中福雅人助教授、大学院生の中冨浩文さんらのグループがネズミで成功した。23日発行の米専門誌セルで発表する。神経細胞は再生しないとされてきたが、近年、脳に神経前駆細胞があることが知られ、再生力の潜在性が注目されていた。病後に機能まで回復させたのは初めて。

 神経前駆細胞は、まだ分裂増殖する能力を維持しており、さまざまなタイプの神経細胞に分化していく。

 ネズミの脳への血流を一時的に止めて人工脳梗塞の状態にすると、「海馬」の神経細胞が死ぬ。同グループは、血流停止の2〜5日後、脳内に、前駆細胞に増殖を促すと考えられる成長因子(たんぱく質)を注入した。

 すると4週間後、海馬の神経細胞が、失われた数の約4割まで回復していた。死滅した部位と別の場所の前駆細胞が神経細胞に分化し、海馬まで移動したうえ、そこで新たに神経回路も形成していた。

 海馬は記憶や学習に重要。その神経細胞が死んだネズミは、水槽の中の足場を覚える能力が落ちるが、この「治療」後にはかなり回復する。

 同グループの桐野高明・東大教授は「自分の脳細胞を再生させ、機能まで回復させられる可能性を示せた」と話す。

 脳細胞が損傷された場合の治療法としては、胎児の細胞や胚(はい)性幹(ES)細胞から神経細胞を分化させて移植する方法も研究されているが、倫理上や拒絶反応などの課題がある。

この記事は最近精神的に落ち込みぎみになっていた自分に刺激になりました。


(2002年8月23日)
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