厚生労働省分事業仕訳状況
規制仕訳結果 6日の行政刷新会議「規制仕分け」の結果 (2011/3/8) |
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【訪問看護ステーション開業要件(厚生労働省)】 | 「常勤換算で看護職員2・5人以上が必要」との基準を緩和し、看護師1人でも開業を認めるかどうかが論点となりました。厚労省は「夜間など緊急時の対応が難しい」「小規模事業所は経営難になりやすい」などと維持を主張。仕分け人は「医師は個人開業できる」「要件を満たせないステーションが廃業、休業している」などと疑問点を指摘。1人開業を求める団体の参考人は「個人開業したい看護師は多い」などと訴えた。結局、仕分け人の大半が一定の要件を満たせば1人での開業を認めるとし、24時間対応の場合は近隣医師らと連携することを要件とすべきだと付記しました。 |
【医薬品、医療機器の審査手続き(厚労省) | 新しい医薬品や医療機器を日本に導入する場合に欧米よりも時間がかかるドラッグラグ、デバイスラグの解消や、日本発の革新的な医薬品などを作り出す方策が論点となった。厚労省は、承認申請された薬や機器の審査にかかる時間は「短縮しつつある」と強調。審査の実務を担う医薬品医療機器総合機構の人員増強計画も進めていると説明した。申請に至るまでの期間も欧米より長い問題に関しては、申請前の早い段階から機構が企業の相談に乗る仕組みを導入して対応するとした。仕分け人は「審査基準や手続きの明確化、透明化が必要だ」と指摘。再生医療など先端分野の製品の優先審査など、開発促進に向けて既存の薬事法にとらわれない仕組みとするよう求めた。 |
【一般用医薬品(大衆薬)のインターネット販売規制】 | 処方箋なしで買える一般用医薬品のうち、副作用の危険性が比較的低い第3類以外の通信販売が禁止されていることが妥当かが論点となった。厚労省は、薬局で対面して販売する方式でこそ、十分な安全情報の提供ができると主張したが、仕分け人は「対面販売より通販が危険だとの証拠に乏しい」と指摘。安全性確保のための措置を検討した上で、通販の可能性を検討するべきだと結論づけた。薬が第1〜3類のどの区分に入るかも不断の見直しをすべきだとした。大塚耕平副大臣は、離島住民や同じ薬を長く使っている人に対して例外的に第2類の通販を認めている経過措置を継続する方向で検討しているとし、薬局による通販解禁の可能性にも言及した。 |
行政刷新会議作業グループによる11日の事業仕分け結果の詳報 (2009/11/12)
健康増進対策費(地域健康づくり推進対策費) | 食生活改善の啓 発活動で、厚労省は1億8600万円を要求。仕分け人から「国は情報提供だけで足りる」「農水省の事業と重複している」と、必要性を疑問視する意見が相次 いだ。13人中8人が廃止、5人が自治体や民間への委託を選び、判定は廃止。 |
レセプトオンライン導入のための機器整備等の補助 | 厚労省 は要求額215億円を151億円に減額する方針を表明したが、仕分け人から「所得が高い開業医に補助する必要はない」などと厳しい指摘が続出。13人中7 人が10年度予算への計上見送り、5人が廃止、1人が民間委託との意見で「来年度予算の計上見送り」と判定された。 |
診療報酬の配分(勤務医対策等) | 仕分け人は「小児科など医師が必要な診療科に報酬を重点配分すべきだ」「厚労省のこれまでの価格 設定は失敗」と指摘。16人全員が配分の見直しが必要と判定し、開業医と病院勤務医の収入格差の平準化や、整形外科や眼科など収入の高い診療科の報酬引き 下げなどを求めた。 |
後発品のある先発品などの薬価の見直し | 主成分が同じで安価な後発薬(ジェネリック医薬品)がある先発医薬品につい て、後発薬並みの薬価水準まで引き下げるかどうかを議論。厚労省は「国内メーカーの開発意欲をそぐ恐れもある」と主張したが、15人全員一致で、一層の引 き下げを必要とする「見直し」と判定した。 |
医療関係の適正化・効率化 | 医療機関や薬局に支払われる診療報酬の不正をチェックする厚労省 の外郭団体「社会保険診療報酬支払基金」と「国民健康保険団体連合会」を統合すべきだとして「見直し」とした。入院時の食費・居住費も「見直し」と判定、 「療養病床に比べ、一般病床の患者の自己負担は低い」と患者負担増につながる意見も。整骨院など柔道整復師の報酬請求の一部ケースで減額を求めた。 |
厚生労働省分の12日の事業仕分け結果の詳報 (2009/11/16)
女性の健康支援対策事業委託費 | 乳がんなど女性特有の病気の予防対策を地方自治体にモデル事業として委託するが、地方自治体が独自に実施しているなどとして4億9800万円廃止 |
こども未来財団 | 高額な財団の役員報酬などが問題視され、基金を国庫に返納・管理費の見直し |
医師確保、救急・周産期対策の補助金等 | へき地や離島の診療やドクターヘリの導入などに充てられているが、最近は予算額の7割程度しか使われていないため、今回は「半額計上」とし、不足分を補正予算で手当てすることが望ましいと結論。573億9700万円 予算削減 |
労災レセプト電算処理システム | 労災の請求や支払いに関するレセプト(診療報酬明細書)オンライン化のため、5億円を要求。システムにかかる保守料の見積額が高額などの意見が相次ぎ、業者への発注の仕方、コスト積算の抜本的「見直し」が必要となった。 |
介護サービス適正実施指導事業など | 地域包括支援センター職員らを対象に研修を実施。都道府県などに対し、厚労省が半額を補助している。08年度の当初予算4億7千万円のうち執行されたのが1億5千万円にとどまるなど、未執行分の多さが指摘された。国は関与せず、研修内容も含めて各自治体に任せるべきだと判定した。介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格更新などの際に行われる研修も、未執行の予算が多く、要求の3億円を半減し、研修内容を改善するよう求めた。 |
生活保護費等負担金(医療扶助の不正請求対策) | 労省はセーフティーネット支援対策等事業費として630億円を要求した。このうちの一部が、医療扶助費の適正化を図るための対策費。今年7月の奈良県の病院による不正請求事件を踏まえ、仕分け人は「レセプト点検の外部委託を進めるべきだ」と指摘し、10人全員が「見直し」と判定した。 |
福祉医療機構 | 国が出資した基金の運用益で、高齢者や障害者の支援に取り組む特定非営利活動法人などに助成し、08年度は計30億円を支出したいたが、「基金の運用益だと財務省の査定がない。毎年度、一般会計から支出する形に変えた方が良い」などと指摘し「見直し」と判定。基金全額の2787億円をいったん国庫に返納するよう求めた。 |
雇用関係独立行政法人への運営費交付金 | 高齢者や障害者の就業を支援する「高齢・障害者雇用支援機構」への運営費交付金として325億円を要求していましたが、「見直し」で人件費などを削減すべきだとした。「勤労者退職金共済機構」への交付金も「見直し」と判定し、一般会計からの支出をやめるよう求めました。 |
国立保健医療科学院の養成訓練などの経費 | 自治体の保健所職員らに感染症などに関する研修を行うほか、医療・福祉行政に必要な研究を実施する厚労省所管の研修・研究機関で、要求額は6億円。「組織が肥大化している」「研修の応募率が低い」などの指摘が続出、業務スリム化や経費削減を求める「見直し」と判定。 |
企業年金等普及促進費 | 企業年金連合会などが年金給付に必要な事務を行う際に厚労省が支給する補助金や、国民年金に上乗せして給付される付加年金の国庫負担分など。10年度予算では22億円を要求。「予算の算定根拠があいまい」などとして、3分の1程度削減するよう求めた。 |
年金に関する広報等の経費 | 国民年金の保険料を割り引く前納制度について社会保険庁が新聞広告などで周知する1億円の経費。判定は「予算削減」が多数だったが、「前納制度はある程度周知されている」とし、結論は「廃止」に。 |
仕事と生活の調和推進事業 | 仕事と生活の調和(ワークライフバランス)推進を目的に、長時間労働の是正に取り組む企業活動の紹介などを進めるため、9億円を要求。仕分け人からは「本来は民間企業が取り組むべきもの」などと公金投入への疑問が相次ぎ「予算計上見送り」。 |
介護予防事業 | 介護が必要になる恐れの高い高齢者の運動機能向上に取り組む市町村に厚労省が事業費の一部を補助し、10年度予算で200億円を要求。仕分け人の多くが「介護給付費の削減にどれだけ役立つのか、科学的根拠が示されていない」などとデータ収集が不十分だと反発。要求額を「縮減」するよう求め、削減率は「判定不能」とした。 |
保育所運営費負担金(利用料設定の仕組みを含む) |
保育料について、0〜2歳の子どもでは生活保護世帯の月0円から年収が932万円以上の世帯の月8万円まで、収入に応じて国が設定する基準額について議論。収入がより高い世帯については、新たな区分を設けて保育料を徴収するなど、基準額を見直すべきだと判定した。 【国連・障害者の十年記念施設運営委託費】堺市にある障害者の交流施設を財団法人に委託運営する費用として厚労省は3億円を要求。仕分け人は「財団への委託をやめ民間に直接委託して効率化を図るべきだ」と指摘し「見直し」と判定した。 |